昔ながらの鍛冶屋 ”佐助” で過ごす、色んなひととき。
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ついに3年の月日を経て








ここで私がお仕事をさせてもらい始めてから間もない頃
遠くから足を運んできて下さった1人のお客様がいらっしゃいました。

ご注文は接木(つぎき)で用いるための『錆出し小刀 金象嵌銘入れ』

切れの良い刃物で細胞を壊さずに切断できると
枝をとてもよく接ぐことができるのだそうです。

錆出し仕上げなのでお渡しできるのは大分先なので、
え〜2011年の冬ごろにはお渡しできると思います。」

「はい 楽しみにしていますね!」

そんな風に横で話される会話を聞きながら

「2011年」なんだか近未来的な数字だ・・・
本当にその日がくるのだろうか
自分はその時を一緒に迎えているかな
どんな気持ちで毎日すごしているのかしら
そもそも生きているのだろうか

伝統的な仕事をしている職場とはいかに
右も左もわからず不安でいっぱいな頃でした。

無事にご注文のお話を終えて
「では3年後に」 とお店の前で笑ってお別れした記憶が
いつも心のどこかにあって、
ことあるごとによく思い浮かんできたものです。

思い返せばあの小刀は、
私達が日々過ごしているのとおなじ時間
いつも納屋の下にたたずんで一緒にこの日を待っていたのですね
風や光や空気や音をききながら 彼女だけの優しいサビの衣を育んで

先日、無事に完成した作品をついにお渡ししまして、
待ち望んで下さっていた方の手元へと旅立ってゆきました。

長いこと静かに眠らせていた持ち前の切れ味活かし
こんどは素敵な植物を育んでいく番

時が経つのははやいものです。
この日を迎えられた嬉しさと共に感じる 驚きと寂しさと安心感。
それはそれはもう穏やかに訪れました。

どうやらあの子は私にとっての同僚のような存在だったようです。

いまやお局と呼ばれるようになった私 笑
この年月の中でサビ育んでこれたかな

小刀さんのご活躍をお祈りするとともに、感謝申しあげます。

さあ
今日は嬉しいひなまつり!


補佐 青池


錆出し仕上げ
古くから刀の鍔(つば)などに用いられていた技法で
錆を出して油で仕上げてあげる事によって、
(鉄が空気中の酸素と結びつき、表面に酸化膜が張る性質を利用した仕上げ)
それ以上腐食せず錆の膜が中を保護します。
また手の油などによってつやが増し、
年月を経るほどに変化する風合いをお楽しみいただけます。
薬品などを使わずに自然に錆びるのを待つため、お渡しするのは3年先になります。
仕上げについての詳しい内容などはこちら
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