今日から7月!
2010年も後半がはじまりましたね。
今年は暑い夏をどう愉しみましょうかね〜*
上の写真は、刈込鋏の修理で佐助に来てくださった庭師さんの鋏です。
一番左にあるのが、柄の部分にご自身で竹をつけてお使いになる 竹柄型。
右の2つは、一番オーソドックスな形の ジゾウ型 ですが、
どちらも制作の年代が違うもので、
刃の裏側に刻印がおしてある昔のものと、押していないものがあります。
少しずつ改良を重ねている変遷がよくわかりますね。
佐助には昔のものはほとんど残していないので、
実際につかっている職人さん達のほうが、
古い型をきちんと保存していたり、
歴史についてよく知っていらっしゃったりするので、
お話していてとても勉強になるのです。
皆さんがもっている鋏を、古いものから今のものまで
ずらりと並べて眺めることができたら、また違う面白さがあるだろうなあ。
この庭師さんは、
なんと、歯ブラシのとなりにちおいてある鋏のお手入れ用品で
毎日手入れをして、日課になっているとのことで・・・
すっすごいなあ〜
さらにこんなエピソードも聞かせてくださいました。
「この木のサヤ(写真だと、刃が乗っかっているもの)ですね、
蟻が集まってくるんですよ。」
え!どうしてでしょうか?と尋ねると、
「木のさやに油を染ませて刃を守るようにしているのですが、椿の油を使っているんです。
蟻も好きなんでしょうねこの油の香りが。甘いのでね〜
鋏と一緒に巣に運ばれたりしなくてよかったです。笑」
なるほど〜!
「サヤに椿油を染ませていらっしゃるのですか。
並々ならぬ愛情(!?)工夫に頭がさがります。
鋏のほかにも庭を造るために 必要な道具がもり沢山!
いろいろな庭師さんがいらっしゃいますが、
それぞれのものに必ず長所と短所があるので、
木のサヤを好む方がいれば、皮のサヤを好む方もいらして、
やはりお好みや方法が違います。
仕事するのによい方法を試し、道具に工夫をほどこしていらっしゃって
すごいなあと、思います。
毎日、何百回も何千回も鋏を動かし、美しい庭をつくりあげる庭師のみなさんにとって
鋏というのは、生業を営むための自分の身体の一部のような、
本当に大切なものなのだな。
使い手さんの想いが、そのまま道具のひとつひとつに
すっかりうつってゆくものなのだな。と改めて思いました。
自分も、身の回りにある全てのものに
心が感じられるようにありたいなと思います。